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国の残価設定ローン保険(国土交通省・住宅金融支援機構)とは|いつから使える?

更新 情報の確認日 2026.10.25

執筆・編集 残クレハウス.jp編集部

国の残価設定ローン保険(国土交通省・住宅金融支援機構)とは|いつから使える?

この記事の結論

  1. 1国の残価設定ローン保険は、住宅金融支援機構(JHF)が金融機関向けに2026年3月につくった「特定残価設定ローン保険」です。
  2. 2個人が直接入る保険ではなく、この保険を使った住宅ローンを金融機関が売る形です。
  3. 32026年9月30日現在、取扱金融機関は「なし」です。いま申し込める残価設定型は、主にJTI型と一部の金融機関の独自商品です。

この記事でわかること

  • 国土交通省と住宅金融支援機構が何をしたのか
  • 保険を使った住宅ローンの仕組みと条件(年齢・金額・対象の家)
  • いつから使えるのか、取扱金融機関の最新状況
  • 月々と総返済額の試算、JTI型との違い

「家も残クレ」「国が後押し」というニュースで、この制度を知った人も多いと思います。国が始めたのは、銀行が残価設定型住宅ローンを出しやすくするための保険です。この記事では、国土交通省と住宅金融支援機構の資料を読んで、何が決まっていて、何がまだなのかを分けて書きます。残価設定型住宅ローンそのものの仕組みは残価設定型住宅ローンとはにまとめています。

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  1. 1国の残価設定ローン保険とは|誰が何をしたのか
  2. 2保険を使った住宅ローンの仕組み
  3. 3いつから使える?取扱金融機関の最新状況
  4. 4数字で見る|国の保険を使うと月々と総額はどうなる
  5. 5JTI型との違い
  6. 6メリットとデメリット
  7. 7向いている人・向いていない人
  8. 向いている人
  9. 向いていない人
  10. 8よくある質問
  11. 9まとめ

国の残価設定ローン保険とは|誰が何をしたのか

流れは次のとおりです。

制度ができるまで

時期 誰が 何をしたか
2025年12月23日 国土交通省 令和7年度補正予算で、残価設定型住宅ローンの供給を促すための保険制度の創設を発表。予算は14.52億円(機構への出資金)
2025年12月23日 住宅金融支援機構 「特定残価設定ローン保険」を2026年3月に創設する予定と発表
2026年3月 住宅金融支援機構 制度の概要資料を公表
2026年9月30日現在 住宅金融支援機構 取扱金融機関の一覧は「なし」

国土交通省・住宅金融支援機構の公表資料で 2026-10-25 に確認。

この保険は、住宅金融支援機構の「住宅融資保険」の1つです。住宅融資保険は、金融機関の住宅ローンが返してもらえなくなったときに、機構が金融機関に保険金を払う仕組みです。機構の資料には、借りた人と機構の間に直接の契約関係は生じないと書かれています。つまり、個人がこの保険に申し込むことはできません。この保険を使った住宅ローンを、金融機関から借りる形になります。

なお、住宅金融支援機構の英語の略称がJHF(Japan Housing Finance Agency)です。「jhf 残価設定」で調べると出てくるのは、この制度のことです。

保険を使った住宅ローンの仕組み

書類に署名する手元

この保険を使う住宅ローンは、2本のローンを組み合わせます。1本は「元金据置ローン」で、毎月は利息だけを払い、元金は亡くなったときや売ったときに一括で返します。もう1本は「割賦返済ローン」で、通常の住宅ローンと同じように元金と利息を毎月返します。据置ローンの部分が「残価」にあたります。ニュースや解説記事で「残価据置型住宅ローン」と呼ばれるのは、この形のことです。当サイトでは「据置型」と呼びます。

主な条件

元金据置ローン(残価) 割賦返済ローン(通常部分)
毎月の返済 利息のみ 元金と利息
期間 亡くなるまで、または売るまで 完済時に80歳未満
借りられる額 2本の合計で1億2,000万円以下、かつ所要資金の100%以下。据置ローンは担保評価額の30%以下、かつ土地の評価額の60%以下
申し込める人 申込時に70歳未満。年収に対する年間返済の割合が30%以下(年収400万円以上は35%以下)
使い道 自分が住む家の新築・購入、中古住宅の購入、借換え(リフォームは対象外。セカンドハウスも対象外)
対象の家 長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンション
金利・団信 金融機関が決める
売っても足りないとき 亡くなったあとに売った場合と、割賦返済ローンの完済後に売った場合は請求なし(ノンリコース)。それ以外は請求あり 請求あり

住宅金融支援機構「特定残価設定ローン保険の概要」(令和8年3月)より。土地の60%の条件は一戸建て・連続建て・重ね建てが対象。2026-10-25 確認。

機構の資料には「自動車等の残価設定ローンと異なる返済方法」とも書かれています。車のように、決まった日に返却か一括返済かを選ぶ仕組みではありません。正常に返している限り、期間中に一括返済や売却を求められることはない、とされています。

いつから使える?取扱金融機関の最新状況

保険の制度は2026年3月にできました。ただ、この保険を使った住宅ローンをいつ売り出すかは、金融機関ごとに決めます。機構の資料にも「商品内容及び商品販売開始時期は取扱金融機関により異なります」とあります。

取扱金融機関の状況

確認日 機構ページの表示 取扱金融機関
2026-10-25 令和8年9月30日現在 なし

住宅金融支援機構の取扱金融機関ページで確認。

つまり、制度ができて約7か月たった時点で、この保険を使った住宅ローンはまだ申し込めません。当サイトは、この一覧を毎月確認して更新します。機構は、商品の内容と販売の開始時期は金融機関ごとに異なるとだけ書いており、見込みは公表していません。

国の保険とは別に、金融機関の独自商品はあります。JTI型でも国の保険型でもない商品です。日本住宅ローンの「おうちの残価設定ローン」は借換え専用で、土地の評価額の50%を残価にし、マンションも対象です。ドコモSMTBネット銀行(2026年8月3日に住信SBIネット銀行から商号変更)の「期日一括返済併用型住宅ローン」は、評価額1億円以上の都市部のマンションが対象で、金利は+0.35%、年収1,000万円以上が条件、残価の保証はありません。岡崎信用金庫も2026年4月に、地元の不動産会社2社が販売する住宅に限って「おかしん残価設定型住宅ローン」を始めました(借入期間は最長20年。金利などの条件は非公表)。いずれも機構の取扱金融機関の一覧には載っていません。

数字で見る|国の保険を使うと月々と総額はどうなる

機構の資料の試算を、当サイトの計算式で再現しました。条件は、40歳で4,000万円を借り、残価1,200万円(30%)を据え置く例です。資料の想定金利は、通常部分が1.0%、残価部分が2.0%です。

機構の資料の例と通常ローンの比較

40〜75歳の月々 75歳以降の月々 総返済額
通常ローン 112,914円 0円 4,742.4万円
国の保険を使う据置型 99,040円(−13,874円) 20,000円(87歳まで) 5,647.7万円(+905.3万円)

住宅金融支援機構「特定残価設定ローン保険の概要」の試算前提(借入4,000万円・35年・通常部分2,800万円1.0%・据置部分1,200万円2.0%・87歳で死亡と想定)を当サイトの計算式で再計算。通常ローンは同額を1.0%・35年。2026-10-25 試算。例です。

月々は約1.4万円下がります。その代わりに、75歳を過ぎても月2万円の利息が続きます。総返済額は約905万円増えます。ここには、最後に家を売って返す残価1,200万円が含まれます。差が大きいのは、残価部分の金利が2.0%と高く置かれていることと、払う期間が12年長いことが理由です。

実際の金利は、まだ商品がないので分かりません。残価部分も1.0%で同じだった場合は、当サイトのシミュレーターで確かめられます(残価15%なら月々−11,937円、35年後に残価を現金で返すと総額+98.6万円)。

JTI型との違い

いま申し込める残価設定型の中心は、移住・住みかえ支援機構(JTI)の仕組みを使う「JTI型」です。JTIはこのオプションを「かeせるオプション」と呼んでいます。国の保険の据置型とは、返し方も対象も違います。

国の保険の据置型とJTI型

国の保険(据置型) JTI型
月々 最初から下がる 最初は通常より高い(金利上乗せ)。残価設定月以降にオプションで下げられる
対象の家 長期優良住宅、認定マンション JTIが認めた事業者が建てた認定長期優良住宅の戸建て
中古・借換え 対象 JTIが認めた事業者が建てる新築が前提。「家の残価保証確認証」がある家なら、あとからの借換えや買主への引き継ぎができる
扱う金融機関 なし(2026年9月30日現在) 日本住宅ローン・三菱UFJ銀行・楽天銀行

JTI公式サイト・住宅金融支援機構の資料で 2026-10-25 確認。

メリットとデメリット

ベンチに並んで座る年配の夫婦の後ろ姿

良い点

  • 月々の返済を最初から下げられる
  • 条件を満たせば、値下がりしても売却後に借金が残らない
  • マンションや中古住宅も対象になる
  • 老後は利息だけの返済にできる

注意点

  • 2026年9月30日現在、扱う金融機関がない
  • 総返済額は増える(機構の例で約905万円)
  • 残価部分の金利は高めに置かれている
  • 割賦返済ローンの完済前に売ると差額を請求される
  • 長期優良住宅か認定マンションでないと使えない

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 認定マンションや長期優良住宅の中古を買う予定で、JTI型が使えない人
  • 老後は家を売って返す、と割り切れる人
  • 取扱いが始まるまで待てる人

向いていない人

  • 家を子に残したい人
  • 20〜30年以内に売る可能性がある人(完済前の売却はリコース)
  • 今すぐ借りる必要がある人

よくある質問

国の残価設定ローン保険は、いつから使えますか?

保険の制度は2026年3月にできました。ただし、この保険を使った住宅ローンを扱う金融機関は、2026年9月30日現在ありません。売り出す時期は金融機関ごとに決まります。

住宅金融支援機構に直接申し込めますか?

申し込めません。この保険は金融機関向けで、機構と借りる人の間に直接の契約はありません。取扱いが始まれば、その金融機関に住宅ローンとして申し込みます。

フラット35とは関係がありますか?

どちらも住宅金融支援機構の制度ですが、別のものです。フラット35は機構が民間金融機関と組んで出す全期間固定金利の住宅ローンです。特定残価設定ローン保険は、民間の住宅ローンにつける保険です。

今の住宅ローンを借り換えて使えますか?

機構の資料では、借換えも対象です。リフォームの資金は対象外です。ただし、取扱金融機関がまだないので、今は使えません。

待つ間にしておけることはありますか?

対象の家は長期優良住宅と認定マンションです。これから建てるなら、長期優良住宅の認定を取るかどうかを先に決めておくと、取扱いが始まったときに選択肢に残ります。

まとめ

国の残価設定ローン保険は、住宅金融支援機構が金融機関向けにつくった保険です。制度は2026年3月にできましたが、2026年9月30日現在、扱う金融機関はありません。いま残価設定型を使うなら、主にJTI型が選択肢になります。

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