残価設定型住宅ローンを扱う銀行は?申し込みはハウスメーカー経由のみ
この記事の結論
- 1新築の戸建てで使える残価設定型住宅ローン(JTI型)を扱うのは、日本住宅ローン・三菱UFJ銀行・楽天銀行の3社です(2026-10-25確認)。
- 2どの3社も、銀行の窓口やWebから直接は申し込めません。JTIが認めたハウスメーカー・工務店を通して申し込みます。
- 3国の保険を使う型は、2026年9月30日時点で扱う金融機関が「なし」です。ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行)の新商品は、都市部の1億円以上のマンション向けです。
この記事でわかること
- 残価設定型住宅ローンを扱う金融機関と、それぞれの開始時期・対象
- 「JTI型」「国の保険を使う型」「ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行)の型」の違い
- 銀行に直接申し込めない理由と、実際の申し込みの入り口
この記事では、金融機関の名前と、公式の発表で確認できた事実だけを書きます。どの金融機関がよいかの判断はしません。仕組みを先に知りたい人は、柱の記事から読んでください。
あわせて読みたい残価設定型住宅ローンとは?仕組み・2つの型・使える条件をやさしく解説残価型には主に3つの型がある
「残価設定型住宅ローン」という名前は同じでも、2026-10-25時点で、仕組みの違う商品が3つあります。扱う金融機関も、型ごとに違います。
残価設定型住宅ローンの主な3つの型(2026-10-25確認)
| JTI型 | 国の保険を使う型 | ドコモSMTBネット銀行の型 | |
|---|---|---|---|
| 扱う金融機関 | 日本住宅ローン・三菱UFJ銀行・楽天銀行 | なし(2026-09-30時点) | ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行) |
| 対象の家 | JTIが認めた会社が建てる認定長期優良住宅の戸建て | 長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンション | 担保評価額1億円以上の新築・中古マンション |
| 月々が下がる時期 | 残価設定月(20年目前後など)から | 借りた最初から | 借りた最初から |
| 申し込みの入り口 | ハウスメーカー・工務店経由 | (扱う金融機関がまだない) | 銀行代理業者・提携不動産会社経由 |
出典は記事末の参考資料。金利や手数料は各社の発表時点の内容。
いま新築の戸建てで現実に使えるのは、JTI型だけです。このほかに、日本住宅ローンの借り換え専用の商品と、岡崎信用金庫の「おかしん残価設定型住宅ローン」(提携2社の住宅に限る)があります。以下、順に見ていきます。
JTI型を扱う3社

JTI型は、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)が金融機関と一緒に作った仕組みです。借りるときは普通の住宅ローンと同じように返します。そして「残価設定月」から、2つのオプション(借りた人が使える権利)を選べるようになります。
- 返済額軽減オプション:毎月の返済を大きく減らす。死亡時に一括で返す「新型リバースモーゲージ」に切り替わる
- 買取オプション:家をそのときのローン残高と同じ額で、JTIなどに買い取ってもらう
JTIの公式ページで「指定金融機関」とされているのは、次の3社です(2026-10-25確認・ページの最終更新 2026-08-03)。
日本住宅ローン
日本住宅ローンは、モーゲージバンク(預金を集めず、住宅ローンを専門に貸す会社)です。大和ハウスは2022年10月から、JTIと日本住宅ローンが共同で作った残価型「ローンのお守り」の紹介を全国で始めました。日本住宅ローンが扱う住宅金融支援機構のローン(フラット35など)に、2つのオプションを付ける形です。発表時点の手数料は55,000円(税込)でした(大和ハウス 2022年9月16日のリリース)。
日本住宅ローンには、これとは別に「おうちの残価設定ローン(借換)」という商品もあります。すでにある住宅ローンからの借り換え専用で、土地の評価額の50%を残価として設定する仕組みです(マンションは市場価格の30%)。マンションも対象です。申し込み時に満70歳未満、金利は変動金利です。これはJTI型でも、後で書く国の保険を使う型でもない、日本住宅ローン独自の商品です。名前が似ているので、混同しないでください。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は2023年3月17日から、JTIの制度を使った残価型の取り扱いを始めました。発表で分かることは次のとおりです(2023年3月31日の発表)。
- ミサワホームの一部地域の分譲住宅から始めた
- 対象地域は東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬・茨城・新潟・静岡・三重・愛媛・香川・高知・徳島
- 通常の住宅ローン金利に年0.2%を上乗せした金利になる
- 全期間固定金利は対象外。返済額軽減オプションを使ったあとは変動金利になる
楽天銀行
楽天銀行は2023年4月28日に、旭化成ホームズの「ヘーベルハウス・アフォーダブルプラン」の戸建てを対象に、取り扱いを始めると発表しました。2023年6月1日からは、大和ハウスの新築戸建ても対象になっています(2023年6月9日の発表)。
楽天銀行の商品ページには「楽天銀行と契約した住宅メーカー経由でのお申込み」「WEB経由でのお申込みは対象外」と書かれています。ベースは「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」です。商品ページの説明では、返済額軽減オプションを使ったあとも、建物の完成から50年までは少額の元本の返済が続き、51年目から利息だけの支払いになります。融資事務手数料は330,000円(税込、ペアローンは495,000円)で、これにJTIの証明書の発行手数料5万円(税別)が加わります。2024年2月からは、パナソニック系の住宅会社と組んだ最長40年の取り扱いも始めています。
金利の上乗せ幅は、楽天銀行の商品ページと金利一覧には書かれていません(2026-10-25確認)。三菱UFJ銀行も、2023年にミサワホームの一部地域で始めたあと、対象をどこまで広げたかを公表していません。上乗せ幅と使えるハウスメーカーは、建てる会社を通した見積もりで確認してください。
申し込みがハウスメーカー経由だけになる理由
JTI型は、家そのものに残価の保証が付く仕組みです。そのため、銀行の審査より先に、家がJTIの条件を満たしているかを確かめる必要があります。
- 建てる会社がJTIに申請し、「残価設定型住宅ローン利用適合証明書」を出してもらう
- 金融機関で普通の住宅ローンと同じ審査を受ける
- 借りるときに「かeせるオプション証明書(残価設定型)」を出してもらう(手数料1件5万円・税別)
1つ目の申請は、建てる会社にしかできません。JTIも、問い合わせ先を「ハウスメーカー、工務店 または JTI」としています。だから、銀行を先に選んでも、建てる会社が対象外なら残価型は使えません。順番は「会社を選ぶ → その会社が使える金融機関で借りる」になります。
自分の条件で月々と総額がどう変わるかは、シミュレーターで先に試せます。
国の保険を使う型(据置型)は、扱う金融機関がまだない
住宅金融支援機構は2026年3月に「特定残価設定ローン保険」を作りました。国土交通省の令和7年度補正予算(14.52億円)で用意された制度です。
金融機関がこの保険を使って出す残価型は、2つのローンを組み合わせます。残価の部分は毎月利息だけを払い、元金は死亡時などに一括で返します。残りの部分は普通に元利で返します。月々は最初から下がりますが、住宅金融支援機構の資料にも「総返済額は通常の住宅ローンより増加します」と書かれています。資料の試算例では、据え置く部分の金利を2.0%、残りの部分を1.0%と想定しています。
主な条件は次のとおりです(住宅金融支援機構「特定残価設定ローン保険の概要」令和8年3月)。
- 申し込み時に満70歳未満
- 新築の建設・購入、中古の購入、借り換えに使える(リフォームは対象外)
- 据え置く部分の上限は、担保評価額の30%以下、かつ土地の評価額の60%以下
- 2つのローンの合計は1億2千万円以下
ただし、この保険を扱う金融機関は、2026年9月30日時点で「なし」です。住宅金融支援機構の取扱金融機関のページにそう書かれています(2026-10-25確認)。機構は「商品内容及び商品販売開始時期は取扱金融機関により異なります」とだけ書いており、いつ商品が出るかは公表されていません。
ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行)「期日一括返済併用型住宅ローン」

住信SBIネット銀行は、2026年8月3日に社名をドコモSMTBネット銀行に変えました。2つは同じ銀行です。以下はドコモSMTBネット銀行と書きます。
ドコモSMTBネット銀行は、住信SBIネット銀行だった2026年6月1日に「期日一括返済併用型住宅ローン」を始めました。担保評価額の50%にあたる元金を、決めた期日に一括で返します。その部分は利息だけを払い、残りは普通に返す仕組みです。
対象はかなり限られています(2026-10-25に商品ページで確認)。
- 東京23区・横浜市・川崎市・大阪市の、担保評価額1億円以上の新築・中古マンション
- 前年の年収が1,000万円以上(ペアローンは一方が1,000万円以上)
- 金利は通常の金利に年0.35%を上乗せ(2026年6月時点)。事務手数料は融資金額の2.20%
- 申し込みは銀行代理業者・提携不動産会社経由だけ
戸建ては対象外なので、ハウスメーカーで家を建てる人は使えません。また、この商品は家の価値を保証する仕組み(残価保証)ではありません。期日に一括で返す部分は、売却や借り換えなどで用意する必要があります。
そのほかの動き:岡崎信用金庫
日本経済新聞は2026年3月末に、愛知県の岡崎信用金庫が残価設定型住宅ローンを始めると報じました。報道によると、20年が経ったときに返済を続けるか、家を価格の約6割で売るかを選べる仕組みです。家の買い取りは、西三河の不動産会社2社が担うとされています。
提携先は刈谷市の角文と岡崎市のフジケンで、対象は西三河の駅近マンションと地価の高い戸建てと報じられています。売るときは、修復が難しいほどの傷みがないことが前提です。
岡崎信用金庫は2026年4月1日のお知らせで、角文とフジケンが販売する住宅について「おかしん残価設定型住宅ローン」の取り扱いを始めることに合意したと発表しています。元金の一部を最終回まで据え置き、借入期間は最長20年です。金利や据え置く割合は公表されていません(2026-10-25確認)。国の保険を扱う金融機関の一覧には載っていないため、不動産会社の買い取りと組み合わせた独自の仕組みと考えられます。
よくある質問
楽天銀行のサイトから残価設定型住宅ローンに申し込めますか?
申し込めません。楽天銀行の商品ページには「楽天銀行と契約した住宅メーカー経由でのお申込み」「WEB経由でのお申込みは対象外」と書かれています(2026-10-25確認)。
三菱UFJ銀行で残価型を使うと、金利は上がりますか?
三菱UFJ銀行は2023年3月の発表で、通常の住宅ローン金利に年0.2%を上乗せした金利になるとしています。全期間固定金利は対象外です。いまの条件は、建てる会社を通して確認してください。
住信SBIネット銀行(現 ドコモSMTBネット銀行)の期日一括返済併用型は、残価型と同じですか?
一部を最後に一括で返し、その間は利息だけを払う点は、据置型の残価型と似ています。ただし対象は都市部の担保評価額1億円以上のマンションで、戸建ては対象外です。
地方銀行や信用金庫で残価型は借りられますか?
JTI型の指定金融機関は3社だけです(2026-10-25確認)。国の保険を使う型は、2026年9月30日時点で扱う金融機関がありません。信用金庫では、岡崎信用金庫が、提携する2社の住宅に限って独自の残価設定型住宅ローンを扱っています(2026年4月発表)。
まとめ:銀行より先に、建てる会社を決める
新築の戸建てで残価型を使うなら、入り口は銀行ではなく、JTIが認めたハウスメーカー・工務店です。扱う金融機関は日本住宅ローン・三菱UFJ銀行・楽天銀行の3社で、どこで借りられるかは建てる会社によって違います。
次は、残価型が使えるハウスメーカーの一覧を確認してください。
あわせて読みたい残価設定型住宅ローンが使えるハウスメーカー一覧|積水ハウス・大和ハウス・住友林業ほか残価型そのものが自分に合うかを考え直したい人は、柱の記事に戻れます。月々と総額の差は、シミュレーターで自分の数字に置き換えて確かめられます。
あわせて読みたい残価設定型住宅ローンとは?仕組み・2つの型・使える条件をやさしく解説※この記事は2026-10-25に各社の公式ページと発表資料を確認して書いています。金利・手数料は発表時点の内容です。最新の条件は各社の公式サイトで確認してください。
※当サイトは特定の金融機関を推すものではなく、住宅ローンの申し込みを仲介するものでもありません。個別のご相談にはお答えできません。
参考にした一次資料
- JTI 残価保証と残価設定型住宅ローンについて(最終更新 2026-08-03)jti.or.jp 確認日 2026.10.25
- 三菱UFJ銀行「残価設定型住宅ローン」の取扱い開始について(2023-03-31)bk.mufg.jp 確認日 2026.10.25
- 楽天銀行 残価設定型住宅ローンrakuten-bank.co.jp 確認日 2026.10.25
- 楽天銀行 旭化成ホームズおよびJTIと残価設定型住宅ローンの取扱いを開始(2023-04-28)rakuten-bank.co.jp 確認日 2026.10.25
- 楽天銀行 金利選択型の「残価設定型住宅ローン」の取扱いを開始(2023-06-09)rakuten-bank.co.jp 確認日 2026.10.25
- 大和ハウス工業 全国で残価設定型住宅ローンの紹介を開始(2022-09-16)daiwahouse.co.jp 確認日 2026.10.25
- 日本住宅ローン おうちの残価設定ローン(借換)mc-j.co.jp 確認日 2026.10.25
- 住宅金融支援機構 特定残価設定ローン保険の概要(令和8年3月)jhf.go.jp 確認日 2026.10.25
- 住宅金融支援機構 特定残価設定ローン保険の取扱金融機関(令和8年9月30日現在)jhf.go.jp 確認日 2026.10.25
- 国土交通省 残価設定型住宅ローンの供給促進のための住宅融資保険制度の創設mlit.go.jp 確認日 2026.10.25
- ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行) 期日一括返済併用型住宅ローンnetbk.co.jp 確認日 2026.10.25
- 岡崎信用金庫『おかしん残価設定型住宅ローン』取扱い開始の合意について(2026年4月)okashin.co.jp 確認日 2026.10.25
- 日本経済新聞 岡崎信金、残価設定型住宅ローン開始(2026年3月30日)nikkei.com 確認日 2026.10.25
- 住信SBIネット銀行 ハイブリッド型の住宅ローンをリリース(2026-06-01。2026-08-03にドコモSMTBネット銀行へ商号変更と注記)netbk.co.jp 確認日 2026.10.25