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中古+リノベという選択肢|残価型が使えない家で総額を抑える

更新 情報の確認日 2026.10.27

執筆・編集 残クレハウス.jp編集部

中古+リノベという選択肢|残価型が使えない家で総額を抑える

この記事の結論

  1. 1中古住宅では、残価設定型住宅ローンはほとんど使えません。国の保険を使う型は中古の購入も対象ですが、扱う金融機関がありません。JTI型は確認証が付いた家だけです(2026-10-27確認)。
  2. 2残価型が月々を下げるのに対して、中古を買ってリノベーションする方法は、借りる額そのものを下げます。例では、新築4,000万円より月々が約2万円下がり、35年後に残る借金もありません。
  3. 3ただし、耐震の確かめ方・住宅ローン控除の要件・仲介手数料などの見えない費用で差がつきます。買う前に確かめる順番を決めておくことが大切です。

この記事でわかること

  • 中古住宅で残価型がほとんど使えない理由
  • 中古+リノベと新築(通常ローン・残価型)の月々と総額の比べ方
  • リフォーム一体型の住宅ローンと、フラット35リノベの仕組み
  • 住宅ローン控除の中古の要件と、控除の期間が13年になる家・10年の家
  • 耐震・築年数の注意点と、見積もりに出てこない費用

この記事は、「残価型で月々を下げたかったが、中古なので使えなかった」「新築にこだわらず総額を抑えたい」という人に向けて書いています。残価設定型住宅ローン(以下、残価型)の仕組みは、柱の記事にまとめています。

あわせて読みたい残価設定型住宅ローンとは?仕組み・2つの型・使える条件をやさしく解説残価設定型住宅ローン・約10分
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  1. 1中古住宅で残価型がほとんど使えない理由
  2. 2考え方を変える:月々を下げるより、借りる額を下げる
  3. 3お金の借り方:リフォーム一体型と、フラット35リノベ
  4. フラット35リノベ
  5. 4住宅ローン控除:中古の要件と、13年と10年の差
  6. 5耐震と築年数:買う前に確かめること
  7. 6見積もりに出てこない費用
  8. 7向く人・向かない人
  9. 向く人
  10. 向かない人
  11. 8中古+リノベの進め方
  12. 9よくある質問
  13. 10まとめ

中古住宅で残価型がほとんど使えない理由

残価型には、いま大きく2つの型があります。どちらも、中古住宅を買うときには使える範囲がとても狭いです。

  • 国の保険を使う据置型:住宅金融支援機構の「特定残価設定ローン保険」を使う型です。資金の使い道に「中古住宅の購入」が入っています。ただし対象は長期優良住宅などに限られ、リフォームは対象外です。そして、扱う金融機関は令和8年9月30日現在「なし」です。
  • JTI型:JTI(移住・住みかえ支援機構)の残価保証を使う型です。中古の家で使えるのは、JTIの「家の残価保証確認証」が付いている家だけです。確認証は、JTIが認めた会社が建てた認定長期優良住宅などで、住宅事業者を通して発行の申請をしたものです。JTIは、確認証は家を売るときに買主へ引き継げると説明しています。

確認証の付いた中古の家がどれだけ出回っているかは、公表されていません。ふつうの物件広告にも書かれていません。つまり、中古の家を探してから残価型を使おうとしても、まず使えないと考えておくのが現実的です。

マンションの場合も含めた買い方ごとの整理は、柱の記事から各記事に進めます。この記事では、残価型を使わずに総額を抑える道として、中古+リノベを取り上げます。

考え方を変える:月々を下げるより、借りる額を下げる

リノベーションした中古戸建てのリビング

残価型は、借りる額はそのままで、一部の返済を後ろに回して月々を下げる仕組みです。そのため、35年後に残債が残ったり、金利が上乗せされたりします。

中古+リノベは、家の価格そのものを下げる方法です。借りる額が減るので、月々も総額も下がります。当サイトのシミュレーターと同じ式で、例を計算しました。

新築と中古+リノベの比較(例)

借入額 月々 35年の総額 35年後に残る借金
新築・通常ローン 4,000万円 112,914円 4,742.4万円 0円
新築・据置型 4,000万円 100,977円 4,841.0万円 600万円
新築・JTI型 4,000万円 116,681円 4,900.6万円 0円(20年目から返済額軽減か買取を選べる)
中古+リノベ 3,300万円 93,154円 3,912.5万円 0円
中古+リノベ 2,800万円 79,040円 3,319.7万円 0円

例。頭金0・35年・元利均等・ボーナスなし。通常ローンは固定1.0%、JTI型は1.2%、据置型は残価15%(600万円)。中古+リノベは物件2,500万円+工事800万円、物件2,000万円+工事800万円とした。仲介手数料などの諸費用は含まない。据置型の総額は35年後の残債600万円を現金で払った場合。2026-10-27試算。

この例では、3,300万円の中古+リノベは、新築の据置型より月々が7,823円低くなります。総額は新築の通常ローンより約830万円少なくなります。

金利が上がったときの差も見ておきます。6年目から金利が1%上がると、新築4,000万円の通常ローンは月々129,758円、中古+リノベ3,300万円は107,050円になります。借りる額が小さいほど、金利が上がったときの増え方も小さくなります。

自分の物件価格や工事費でも試せます。物件と工事費を足した額を、住宅価格に入れてください。

お金の借り方:リフォーム一体型と、フラット35リノベ

中古+リノベでは、物件の代金と工事費の両方を用意します。借り方は大きく2つです。

  • まとめて借りる:物件の代金と工事費を1本の住宅ローンで借ります。「リフォーム一体型」などの名前で扱う金融機関があります。名前と条件は金融機関ごとに違います。
  • 分けて借りる:物件は住宅ローン、工事はリフォームローンで借ります。リフォームローンは住宅ローンと金利や期間の条件が違うことがあるので、両方の条件を並べて比べてください。

まとめて借りるときは、工事の見積もりを物件の契約の前後で早めにそろえる必要があります。金融機関の審査に、工事の内容と金額が要るからです。

フラット35リノベ

住宅金融支援機構の「フラット35リノベ」は、中古住宅の購入とあわせて一定のリフォームをすると、フラット35の金利が当初5年間下がる制度です。

フラット35リノベの金利引き下げ

引き下げ期間 引き下げ幅
金利Aプラン 当初5年間 年1.0%
金利Bプラン 当初5年間 年0.5%

住宅金融支援機構【フラット35】サイトで2026-10-27確認。予算に達すると受付を終える。フラット35Sや維持保全型とは併用できない。

  • 中古住宅を買って自分でリフォームする「リフォーム一体タイプ」と、事業者がリフォームした家を買う「買取再販タイプ」があります。リフォーム一体タイプは、扱う金融機関が限られます。
  • 使えるのは中古住宅の購入のときだけです。新築・借り換えには使えません。
  • 対象の工事は、省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性と可変性のいずれかを上げるリフォームで、それぞれに技術基準があります。

機構のサイトには、借入3,000万円・35年・金利2.50%の例で、Aプランなら総返済額が約167万円少なくなると書かれています。

住宅ローン控除:中古の要件と、13年と10年の差

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、中古住宅でも使えます。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令)で、主な要件を確かめました。

  • 家の床面積が50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上も対象)
  • 買ってから6か月以内に住み始める
  • 返済期間10年以上の住宅ローンである
  • 昭和57年1月1日以後に建てた家か、耐震基準に合うと証明された家

控除の期間と上限は、家の性能で変わります。令和8年から令和12年に住み始めた場合は次のとおりです。

中古住宅の住宅ローン控除(令和8〜12年に住み始めた場合)

家の区分 控除期間 1年の控除の上限
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 13年 24.5万円(31.5万円)
ZEH水準省エネ住宅 13年 24.5万円(31.5万円)
省エネ基準適合住宅 13年 14万円(21万円)
その他の住宅 10年 14万円

国税庁 No.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)で2026-10-27確認。控除額は年末残高等×0.7%。( )は特例対象個人(40歳未満で配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人など)の上限。

中古でも、省エネ基準に合うと証明できる家なら控除は13年、証明できなければ10年です。築年数が古い家は、省エネの証明が取れないことが多いです。買う前に、仲介会社に「省エネ基準適合の証明が取れるか」を聞いてください。

リノベーションの工事費については、別に「増改築等」の住宅ローン控除があります。工事費が100万円を超えることなどが要件で、控除期間は10年、1年の上限は14万円です(国税庁 No.1211-4)。物件と工事をまとめて借りた場合の扱いは、確定申告の前に税務署で確かめてください。

耐震と築年数:買う前に確かめること

中古の家で一番大事なのは、地震に耐えられるかです。国の耐震基準は、昭和56年(1981年)6月1日に大きく変わりました。これ以降の基準を「新耐震基準」と呼びます。国土交通省は、それより前に建てた家は地震に弱いものが多いと説明しています。

  • 1981年5月以前の家:旧耐震基準です。住宅ローン控除も、耐震の証明か耐震改修がないと使えません(控除の基準日は昭和57年1月1日)。
  • 1981年6月〜2000年5月の木造の家:新耐震基準ですが、接合部(柱や梁のつなぎ目)などの仕様が明確になったのは2000年です。日本建築防災協会は、この時期の木造住宅向けに耐震性能を確かめる方法をまとめています。
  • 2000年6月以降の家:今の基準に近い仕様で建てられています。それでも、雨漏りや床下の傷みは家ごとに違います。

確かめる方法として、国の制度が2つあります。

  • 建物状況調査(インスペクション):資格を持つ建築士が、構造の傷みや雨漏りを目で見たり測ったりして調べます。
  • 既存住宅売買瑕疵保険:買ったあとに構造や雨漏りの不具合が見つかったとき、直す費用を保証する保険です。加入には検査があります。

リノベーションの工事が始まってから、壁や床をはがして傷みが見つかることもあります。工事の見積もりには、予備費を入れておいてください。

見積もりに出てこない費用

中古+リノベは、物件の価格と工事費だけでは終わりません。新築の注文住宅にはない費用があります。

  • 仲介手数料:不動産会社を通して買うときの手数料です。国の告示で上限が決まっていて、400万円を超える物件なら「価格の3%+6万円」に消費税を足した額が上限です。2,500万円の物件なら、上限は89.1万円です(800万円以下の物件には別の特例があります)。
  • 調査と保険:建物状況調査や、既存住宅売買瑕疵保険の検査と保険料です。
  • 住宅ローンの諸費用:事務手数料、保証料、登記の費用などです。
  • 工事中の家賃:引き渡しから工事が終わるまで住めないので、いまの家賃を払い続けます。
  • 追加工事:解体して見つかった傷みの補修です。

この記事の試算には、これらの費用を入れていません。比べるときは、物件・工事・諸費用を全部足した額で新築と並べてください。

向く人・向かない人

リノベーションの打ち合わせ用の床材と壁紙のサンプル

向く人

  • 新築にこだわらず、月々と総額の両方を下げたい人
  • 35年後に残債が残る形は避けたい人
  • 住みたい地域で、新築の土地が高い・少ない人
  • 物件探しと工事の打ち合わせに、時間をかけられる人

向かない人

  • 入居の時期が決まっていて、工事の遅れを待てない人
  • 耐震や断熱など、性能を新築と同じにしたい人(工事費が大きくなり、差が縮まる)
  • 買う前の調査や見積もりの比較に手間をかけたくない人

新築にするか中古にするかで迷っている人は、相談窓口で両方を比べる方法もあります。

あわせて読みたい家づくりの無料相談窓口の選び方|大手ハウスメーカーで建てるか、地元の工務店か残価設定型住宅ローン・約7分

中古+リノベの進め方

  1. 予算の上限を決める。物件・工事・諸費用を足した総額で決めます。
  2. 住宅ローンの借り方を決める。まとめて借りるか、フラット35リノベを使うかを先に考えます。
  3. 物件を探し、建物状況調査を頼む。築年数と耐震、省エネの証明が取れるかを確かめます。
  4. 工事の見積もりを取る。2社以上から取り、予備費を入れます。
  5. 住宅ローンの事前審査を出す。工事の見積もりも一緒に出します。
  6. 売買契約と工事請負契約を結ぶ。引き渡しのあと工事、完成後に入居します。

買う家が決まり、リフォームの見積もりを別の会社からも取りたい人は、次のサービスがあります。築10年以内の家は対象外です。

ハウジングバザール

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特徴

  • リフォーム・リノベーションの会社を紹介してもらえる

合う人

  • 築10年を過ぎ、点検で見つかった補修や住み替え前のリフォームを相談したい人

注意点

  • 築10年以内の家の建て替え・リフォームは紹介の対象外
  • 紹介される会社は地域によって違う
リフォーム会社を紹介してもらう

紹介の申込みは無料です。

よくある質問

中古住宅で残価設定型住宅ローンは使えますか?

ほとんど使えません。国の保険を使う据置型は中古の購入も対象ですが、長期優良住宅などに限られ、扱う金融機関は令和8年9月30日現在ありません。JTI型は、JTIの「家の残価保証確認証」が付いた家だけです(2026-10-27確認)。

リノベーションの工事費も住宅ローンで借りられますか?

物件の代金と工事費をまとめて借りられる住宅ローンを扱う金融機関があります。条件は金融機関ごとに違います。フラット35リノベは、中古の購入と一定のリフォームを一緒にすると、当初5年間の金利が下がります。

中古住宅でも住宅ローン控除は13年になりますか?

なる場合があります。令和8年から令和12年に住み始めた場合、認定長期優良住宅・ZEH水準・省エネ基準適合の証明がある中古住宅は13年です。証明がない「その他の住宅」は10年です(国税庁 No.1211-3、令和8年4月1日現在法令等)。

築何年までの家なら安心ですか?

年数だけでは決められません。目安として、1981年6月以降の新耐震基準の家か、木造なら2000年6月以降の家かを確かめます。そのうえで、建物状況調査で傷みを調べてください。

新築より本当に安くなりますか?

物件と工事の組み合わせ次第です。性能を新築に近づけるほど工事費は上がります。仲介手数料や調査の費用も含めた総額で、新築の見積もりと並べてください。

まとめ

中古住宅では、残価型はほとんど使えません。そこで、中古を買ってリノベーションし、借りる額そのものを下げる方法があります。この記事の例では、3,300万円の中古+リノベは、新築4,000万円の通常ローンより月々が約2万円下がり、35年後に残る借金もありません。

ただし、耐震・住宅ローン控除の要件・見えない費用で差がつきます。物件・工事・諸費用を全部足した総額で、新築と比べてから決めてください。通常の住宅ローンで月々を下げる方法は、次の記事にまとめています。

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※この記事の数字は、当サイトのシミュレーターと同じ式で計算した例です(2026-10-27試算)。仲介手数料などの諸費用は含みません。実際の返済額は金融機関の条件で変わります。

※住宅ローン控除の要件は、国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)で確認したものです。個別の判断は税務署に確かめてください。

※フラット35リノベには予算があり、予算に達すると受付を終えます。

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