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長期優良住宅の申請費用と手続きの流れ|手数料・日数・建てたあとの手続き

更新 情報の確認日 2026.10.27

執筆・編集 残クレハウス.jp編集部

長期優良住宅の申請費用と手続きの流れ|手数料・日数・建てたあとの手続き

この記事の結論

  1. 1申請費用は、行政の手数料・審査機関の料金・書類作成の代行料の3つです。公的な費用だけなら一戸建てで6〜7万円前後です(審査機関の審査を先に受けて申請する場合)。
  2. 2申請は着工前に出します。行政の審査は、審査機関の確認書を添えれば1〜2週間が目安で、その前に審査機関の審査があります。
  3. 3費用は減税で取り戻せることが多い一方、建てたあとも変更・相続・売却のたびに手続きが要ります。

この記事でわかること

  • 申請費用の内訳と、自治体ごとの手数料の違い
  • 契約から入居後までの申請の流れと、かかる日数
  • 建てたあとに要る手続き(変更・完了報告・地位の承継)
  • 申請費用を減税で取り戻せるかの試算

長期優良住宅にするかどうかは、ハウスメーカーとの打ち合わせの早い段階で決めることになります。そのとき気になるのが「申請にいくらかかって、どのくらい時間がかかるのか」です。この記事では、自治体と審査機関の公式ページを開いて、費用と流れを確かめます。長期優良住宅は残価設定型住宅ローンの条件でもあるので、残価型を考えている人は残価設定型住宅ローンとはもあわせて読んでください。

目次開く(10項目)閉じる
  1. 1長期優良住宅の申請とは|誰が・いつ・どこに出すか
  2. 2申請費用の内訳|3つに分かれる
  3. 行政の手数料
  4. 審査機関の料金
  5. 書類作成の代行料
  6. 3自治体で手数料はこんなに違う
  7. 4申請の流れ|契約から入居後まで
  8. 5着工までにかかる日数と、工程への入れ方
  9. 6申請費用は減税で取り戻せるか|試算
  10. 7建てたあとに要る手続きと費用
  11. 8申請するとよい人・しなくてもよい人
  12. 申請するとよい人
  13. しなくてもよい人
  14. 9よくある質問
  15. 10まとめ

長期優良住宅の申請とは|誰が・いつ・どこに出すか

長期優良住宅の認定は、長期優良住宅法に基づく手続きです。基本の決まりは次の3つです。

申請の基本

項目 内容
申請する人 家を建てる人(建築主)。書類はハウスメーカーや工務店が代わりにつくることがほとんど
出す先 所管行政庁(建築主事を置く市区町村、またはその地域を受け持つ都道府県)
出す時期 工事を伴う場合は、着工する前
事前の審査 登録住宅性能評価機関の技術的審査を先に受け、その確認書を添えて出すのが一般的

国土交通省「長期優良住宅のページ」(令和7年12月1日更新)、群馬県「長期優良住宅に関するQ&A」(2026年4月9日更新)より。2026-10-27 確認。

群馬県のQ&Aでは、申請したあとなら、認定が下りる前でも着工できるとしています(建築確認を受けている場合)。ただし、認定前に着工して基準に合わないと分かった場合は、認定を受けられません。大きな変更で出し直しになった場合も、着工後は受け付けないとしています。実際には「認定が下りてから着工」と考えておくのが安全です。

申請費用の内訳|3つに分かれる

申請書類の束と電卓、家の図面が置かれた机

申請費用は、払う先で3つに分かれます。

申請費用の内訳(一戸建ての新築)

費用 払う先 金額の例
認定の手数料 所管行政庁 確認書を添えると7,100〜18,000円(下の表)
技術的審査の料金 登録住宅性能評価機関 単独で48,400〜50,600円。住宅性能評価と同時なら5,500〜7,700円の上乗せ
書類作成の代行料 ハウスメーカー・工務店・設計事務所 会社ごとに違う。見積書で確認

行政の手数料は各自治体の手数料ページ、審査機関の料金はベターリビング「長期優良住宅の技術的審査(新築)」より(税込)。2026-10-27 確認。代行料は一覧で公表している公式の資料が見つからなかったため、金額を載せていません。

行政の手数料

審査機関の確認書を添えるかどうかで、金額が大きく変わります。確認書を添えない場合は、行政が技術的な審査も自分でするので高くなります。たとえば板橋区は、確認書ありで7,100円、なしで52,000円です。ほとんどの申請は確認書を添える形なので、次の章の表は「確認書あり」の金額を並べています。

審査機関の料金

ベターリビングの場合、一戸建ての新築で単独で申し込むと48,400〜50,600円(税込)です。床面積が150㎡を超えると12,100円が加わります。住宅性能評価(家の性能を等級で示す第三者の評価)と同時に申し込むと、長期優良住宅の審査分は5,500〜7,700円の上乗せで済みます。ただし、その場合は住宅性能評価そのものの料金が別にかかります。料金は機関ごとに違います。

書類作成の代行料

図面や計算書、30年以上の維持保全計画をつくる作業の費用です。ハウスメーカーでは「標準仕様に含む」としているところもあれば、別に請求するところもあります。工務店のコラムでは代行料込みで20〜30万円程度とする記載を見かけますが、裏づけになる公的な調査は見つかりませんでした。見積書に「長期優良住宅申請費用」の行があるか、ないなら本体価格に含まれているのかを確かめてください。

自治体で手数料はこんなに違う

行政の手数料は、自治体の条例で決まります。同じ一戸建ての新築でも、出す先によって差があります。

一戸建て新築の認定手数料(確認書等を添えた場合)

自治体 確認書あり 確認書なし ページの更新日
東京都板橋区 7,100円 52,000円 2023年6月29日
神奈川県 8,000円 条例による —
大阪府東大阪市 13,000円 一覧表による 2025年11月13日
群馬県 18,000円 71,000円(200㎡以下)/81,000円(200㎡超) 2026年3月17日

各自治体の公式ページより。2026-10-27 確認。群馬県は県が受け持つ区域の額で、床面積で変わるのは確認書を添えない場合です。

確認書ありの手数料は、ここに挙げた4つの自治体で7,100〜18,000円でした。審査機関の料金(約5万円)と合わせると、公的な費用は一戸建てで6〜7万円前後になります。自分の地域の額は「(市区町村名) 長期優良住宅 手数料」で探すと、自治体のページが出てきます。

申請の流れ|契約から入居後まで

国土交通省の流れの図と、自治体の案内をもとに、建てる人の目線で並べ直すと次のようになります。

申請の流れ(一戸建ての新築)

段階 やること 主に動く人
1. 設計・契約 長期優良住宅にするかを決め、基準に合う仕様で設計する。申請費用の扱いを見積書で確認 建てる人・ハウスメーカー
2. 技術的審査 登録住宅性能評価機関に図面などを出し、確認書を受け取る ハウスメーカー
3. 認定申請 確認書を添えて所管行政庁に申請する(着工前) ハウスメーカー(建てる人の名前で)
4. 認定通知 認定通知書を受け取る。減税の手続きで使うので保管する 建てる人
5. 着工・建築 認定された計画どおりに建てる。大きな変更は、変更部分の着工前に変更認定が必要 ハウスメーカー
6. 完了報告 工事が終わったら、工事監理報告書などを添えて完了を報告する(自治体の細則による) ハウスメーカー・建築士
7. 入居後 計画どおりに点検・修繕し、記録を残す。相続・売却のときは地位の承継の手続き 住む人

国土交通省「長期優良住宅のページ」、神奈川県・群馬県の案内より。2026-10-27 確認。

建てる人が直接やることは多くありません。ただ、認定通知書は入居後の減税の手続きで写しを出すので、なくさないようにしてください。住宅ローン控除の初年度の確定申告では、認定通知書の写しと、住宅用家屋証明書の写し(または認定長期優良住宅建築証明書)を出します。

着工までにかかる日数と、工程への入れ方

行政の審査にかかる日数は、自治体が目安を出しています。

  • 神奈川県:確認書を添えた一戸建てで7営業日が目安(補正にかかる日数を除く)
  • 浜松市:最大2週間程度
  • 群馬県:標準の期間は公表していない

この前に、審査機関の技術的審査があります。審査機関の日数は公表されていないことが多く、書類の直しが入るとその分延びます。「設計がまとまってから、着工までに数週間の余裕を見る」のが現実的です。

日程が決まっている人は注意が必要です。たとえば、今の賃貸の退去日や、土地の引き渡し日、つなぎ融資の実行日が先に決まっていると、申請の遅れがそのまま家賃の二重払いにつながります。契約の時点で、ハウスメーカーに「申請から認定までの見込み日数」を聞いておくと安心です。

なお、神奈川県は、認定申請と建築確認を同時に出すこともできるが、窓口の間のやりとりで時間がかかる場合や、認定が取り消されると建築確認も取り消される点に注意するよう案内しています。どちらで出すかは、ハウスメーカーの判断に任せることが多いはずです。

申請費用は減税で取り戻せるか|試算

長期優良住宅にすると、住宅ローン控除の上限が上がり、登録免許税・不動産取得税・固定資産税も軽くなります。申請費用と比べてみます。比べる相手は、ZEH水準省エネ住宅(長期優良住宅の認定を取らない、断熱などの性能が高い家)です。

ZEH水準省エネ住宅と比べた、長期優良住宅の税の差(一戸建ての新築)

税金 ZEH水準省エネ住宅 長期優良住宅 差
住宅ローン控除(13年) 約293.1万円 約300.4万円 約7.3万円
固定資産税の減額 3年間 1/2 5年間 1/2 約21万円(2年分)
不動産取得税 1,200万円を控除 1,300万円を控除 約3万円
登録免許税 0.15% 0.1% 約0.75万円
合計 — — 約32万円

借入4,000万円・35年・固定1.0%・ボーナス払いなし(当サイトの計算式)、家屋の固定資産税評価額1,500万円・床面積120㎡以下・2026年入居で試算。住宅ローン控除は所得税と住民税から全額引ける場合の最大額。税率は固定資産税1.4%、不動産取得税3%(住宅の特例)、登録免許税は所有権保存登記。2026-10-27 試算。例です。

この例では、長期優良住宅のほうが税金が約32万円少なくなります。公的な申請費用の6〜7万円は、十分に取り戻せる計算です。代行料が20万円を超える場合でも、差し引きでプラスに残ります。

ただし、差の大部分は固定資産税の2年分です。固定資産税は、市区町村が決める家屋の評価額で決まるので、家によって変わります。住宅ローン控除の差は、借入額が3,500万円以下なら、ほぼなくなります。逆に借入額が大きいほど、差は広がります。

もう一つ、表に入っていない費用があります。30年以上続く点検と補修の費用です。これは長期優良住宅でなくても家を保つためにかかるお金ですが、認定を受けると計画どおりにやる義務になります。義務の中身は長期優良住宅のデメリットにまとめています。

借入額を変えると、月々と総額はシミュレーターで確かめられます。

建てたあとに要る手続きと費用

完成したばかりの今どきの2階建て住宅の外観

認定は建てて終わりではありません。建てたあとにも、次のような場面で手続きが要ります。手数料の額は自治体ごとに違います。

建てたあとの主な手続き(一戸建て)

場面 手続き 手数料の例
工事中に計画を大きく変える 変更認定(変更部分の着工前) 東大阪市 1,900円/群馬県 当初と同額
工事が終わった 工事完了報告 手数料の定めは見当たらず
点検の計画を変える 維持保全計画の変更認定 自治体による
相続・売却で持ち主が変わる 地位の承継の承認 群馬県 無料/板橋区 2,300円/東大阪市 1,500円
認定をやめる 取りやめの届出 —

群馬県の手数料ページ・Q&A、東大阪市・板橋区の手数料ページより。2026-10-27 確認。変更認定の手数料は、群馬県は当初の認定手数料と同額、東大阪市は確認書を添えた場合の額。

売るときは、買う人が地位の承継を申請すれば、認定と点検の義務を引き継げます。その際、点検の記録が残っていると、家の状態を説明しやすくなります。逆に、記録がなく、行政に改善を求められても従わない場合は、認定が取り消されることがあります。群馬県のQ&Aでは、取り消されると税の優遇も受けられなくなるとしています。

残価設定型住宅ローンを使う場合は、さらに注意が要ります。JTI型では、JTIの長期メンテナンスプログラムを続けることが条件の一つです。売る・貸す・住み替えるときの扱いは、JTIの残価設定型ローンで確認してください。

申請するとよい人・しなくてもよい人

申請するとよい人

  • 残価設定型住宅ローンを使う可能性がある人(どの型も長期優良住宅などが条件)
  • 借入額が3,500万円を大きく超える人(住宅ローン控除の差が広がる)
  • ハウスメーカーが標準で対応していて、代行料が本体価格に含まれている人
  • 将来、売るか貸す可能性があり、手入れの記録を残したい人

しなくてもよい人

  • ZEH水準の家で、借入額が3,500万円以下、代行料が高い人(税の差が代行料に近づく)
  • 退去日などの日程に余裕がなく、着工を急ぐ人
  • 30年間、計画どおりに点検を続ける自信がない人

よくある質問

長期優良住宅の申請費用は全部でいくらですか?

行政の手数料と審査機関の料金を合わせた公的な費用は、一戸建ての新築で6〜7万円前後が目安です(確認書を添える場合)。これに、ハウスメーカーや工務店の書類作成の代行料が加わります。代行料は会社ごとに違うので、見積書で確認してください。

自分で申請することはできますか?

申請するのは建てる人なので、制度上は自分でも出せます。ただ、図面・計算書・維持保全計画などの専門的な書類が必要なので、実際にはハウスメーカーや設計者がつくることがほとんどです。

着工したあとに申請できますか?

工事を伴う新築の場合、申請は着工前に出す必要があります。着工してから「やっぱり長期優良住宅に」はできないので、契約の段階で決めてください。なお、2022年10月からは、建築工事を伴わない既存の住宅でも認定を申請できるようになっています。

申請費用は住宅ローンに含められますか?

ハウスメーカーの見積もりに含まれていれば、建物の費用として借り入れの対象になることが多いです。別に払う場合の扱いは金融機関によって違うので、借りる先に確認してください。

中古の長期優良住宅を買ったら、何をすればいいですか?

所管行政庁に地位の承継の承認を申請し、認定と点検の義務を引き継ぎます。売買契約書や登記簿の謄本などを添えます。手数料は自治体ごとに違い、群馬県は無料、板橋区は2,300円、東大阪市は1,500円です(2026-10-27確認)。

まとめ

長期優良住宅の申請費用は、行政の手数料・審査機関の料金・代行料の3つです。公的な費用は一戸建てで6〜7万円前後で、自治体によって手数料に差があります。申請は着工前で、行政の審査は確認書を添えて1〜2週間が目安です。費用は減税で取り戻せることが多い一方、建てたあとも変更や相続・売却のたびに手続きが続きます。代行料の扱いと、着工までの日数は、契約前にハウスメーカーに確かめてください。

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※手数料・料金は確認日時点のものです。改定されることがあるので、申請前に自治体と審査機関のページで確認してください。

※税の試算は、家屋の評価額・床面積・所得によって変わります。固定資産税の減額は床面積120㎡までの部分が対象です。

※減税の各制度には適用期限があります(住宅ローン控除は2030年12月31日までの入居など)。

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