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長期優良住宅のデメリット|残価設定型ローンを使うなら必須の条件

更新 情報の確認日 2026.10.25

執筆・編集 残クレハウス.jp編集部

長期優良住宅のデメリット|残価設定型ローンを使うなら必須の条件

この記事の結論

  1. 1長期優良住宅のデメリットは、申請の費用と時間、建築費、建てたあとの点検と記録の義務の3つです。
  2. 2税の優遇はありますが、住宅ローン控除の差はZEH水準省エネ住宅と比べると小さく、4,000万円の例で約7万円です。
  3. 3残価設定型住宅ローンは、どの型も長期優良住宅(など)が条件です。使うなら、デメリットは受け入れる前提になります。

この記事でわかること

  • 長期優良住宅とは何か、認定の条件
  • デメリット5つ(費用・時間・建築費・建てたあとの義務・優遇の差)
  • 住宅ローン控除の差を3種類の住宅で比べた試算
  • 残価設定型住宅ローンを使うなら、なぜ必須なのか

長期優良住宅は、長く良い状態で住めるように建てて、手入れを続ける計画を、行政に認めてもらった家です。税の優遇があるので、ハウスメーカーからは「標準で対応」と案内されることが多いと思います。この記事では、売る側が書きにくいデメリットを、行政の資料と試算で確かめます。残価設定型住宅ローンとの関係は、残価設定型住宅ローンとはにもまとめています。

目次開く(8項目)閉じる
  1. 1長期優良住宅とは|認定の仕組み
  2. 2長期優良住宅のデメリット5つ
  3. 1. 申請の費用がかかる
  4. 2. 着工までに時間がかかる
  5. 3. 建築費が上がる場合がある
  6. 4. 建てたあとに点検と記録の義務が続く
  7. 5. 優遇の差が思ったより小さいことがある
  8. 3数字で見る|住宅ローン控除の差はいくらか
  9. 4残価設定型ローンを使うなら、長期優良住宅は必須
  10. 5メリットとデメリットの比較
  11. 6認定を取るとよい人・取らなくてもよい人
  12. 取るとよい人
  13. 取らなくてもよい人
  14. 7よくある質問
  15. 8まとめ

長期優良住宅とは|認定の仕組み

長期優良住宅は、長期優良住宅法という法律に基づく認定です。家を建てる人が、着工前に所管行政庁(建築主事を置く市区町村か都道府県)に申請します。国土交通省の資料では、認定の基準は次の5つです。

認定の基準と、建てたあとの義務

項目 内容
建物 構造と設備を長く良い状態で使える。耐震・省エネなどの性能
広さ 良い住まいに必要な面積がある
まわり 地域の住環境に配慮している
手入れの計画 30年以上の維持保全計画があり、10年以内ごとに点検する
災害 自然災害の被害を防ぐ・減らすことに配慮している
建てたあと 計画どおりに手入れをして記録を残す。行政から求められたら報告する

国土交通省「長期優良住宅のページ」(令和7年12月1日更新)より要約。2026-10-25 確認。

ポイントは、認定が「建てたときの性能」だけでなく、「建てたあとの手入れ」まで含むことです。デメリットの多くは、ここから出てきます。

長期優良住宅のデメリット5つ

こてで壁を補修する手元

1. 申請の費用がかかる

費用は、行政への手数料、性能の審査をする機関への料金、書類をつくる会社への費用の3つに分かれます。行政の手数料は自治体ごとに違います。群馬県の場合、一戸建ての新築で、登録住宅性能評価機関の確認書を添えると18,000円です。添えない場合は、床面積200㎡以下で71,000円、200㎡超で81,000円です。審査機関の料金は機関ごとに違い、一戸建てでおおむね5万円前後です(例:ベターリビングは単独で申請すると48,400〜50,600円、住宅性能評価と同時なら5,500〜7,700円。2026-10-25確認)。公的な費用だけなら、確認書を添えて合計7万円前後になります。これに、ハウスメーカーや工務店に払う書類作成の代行料が加わります。代行料は会社ごとに違い、一覧で公表しているところはないので、見積書で確認してください。

2. 着工までに時間がかかる

認定は着工前に申請する必要があります。審査の分だけ、着工の時期が後ろにずれることがあります。土地の引き渡しや、今の住まいの退去の日程が決まっている人は、申請の期間を工程に入れておく必要があります。行政の審査は、確認書を添えて申請してから1〜2週間ほどが目安です(神奈川県と姫路市は7営業日、浜松市は最大2週間程度)。その前に審査機関の審査があるので、全体ではもう少しかかります。群馬県は標準の期間を公表していません。

3. 建築費が上がる場合がある

耐震や省エネ、点検しやすい配管などの基準を満たすため、仕様によっては建築費が上がります。間取りや窓の大きさが制約を受ける場合もあります。標準の仕様で基準を満たすとしている会社もあります。その場合に何が上乗せされるかは、見積もりで確かめてください。いくら上がるかは、会社と仕様で違います。

4. 建てたあとに点検と記録の義務が続く

これが一番大きなデメリットです。30年以上の計画に沿って、10年以内ごとに点検し、必要なら直し、記録を残します。点検の費用は住む人の負担です。行政から報告を求められて応じない場合や、うその報告をした場合は、30万円以下の罰金の対象になります。計画どおりに手入れをせず、改善を求められても従わない場合は、認定が取り消されることがあります。群馬県のQ&Aでは、取り消されると税の優遇も受けられなくなるとしています。

建てた会社が倒産しても、点検の義務は残ります。群馬県のQ&Aでは、その場合は自分で点検するか、新しい点検の担当を決めることになっています。

5. 優遇の差が思ったより小さいことがある

長期優良住宅の住宅ローン控除の上限は、他の省エネ住宅より高く設定されています。ただ、借入額が上限より少なければ、差はあまり出ません。次の章で試算します。

数字で見る|住宅ローン控除の差はいくらか

2026〜2030年に入居する新築の場合、住宅ローン控除(年末のローン残高の0.7%を13年間、税金から引く制度)の上限は、家の種類で次のように変わります。

新築の住宅ローン控除の上限と、4,000万円の例の控除額

家の種類 借入額の上限 13年の控除額(4,000万円の例) 長期優良住宅との差
長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円(5,000万円) 約300.4万円 —
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円(4,500万円) 約293.1万円 約−7.3万円
省エネ基準適合住宅 2,000万円(3,000万円)※ 約182.0万円 約−118.4万円

借入額の上限は国土交通省「令和8年度税制改正概要」(令和7年12月)、カッコ内は子育て世帯等。控除額は、4,000万円・35年・固定1.0%・ボーナス払いなし(当サイトの計算式)の各年末残高の0.7%を13年分足した額。所得税と住民税から全額引ける場合の最大額です。2026-10-25 試算。例です。

※省エネ基準適合住宅の新築は、2028年以降の入居は原則として対象外です(2027年末までに建築確認を受けたもの等は2,000万円×10年)。

※控除額は、その年の所得税と住民税(上限あり)の額までしか引けません。年収によっては表より少なくなります。

4,000万円を借りる場合、ZEH水準との差は約7.3万円です。ZEH水準の上限3,500万円を超えて残高がある最初の数年だけ、差が出るからです。一方、省エネ基準適合住宅と比べると約118万円の差になります。

住宅ローン控除のほかにも、一戸建ての長期優良住宅には次の優遇があります。

住宅ローン控除以外の優遇(一戸建ての新築)

税金 一般の住宅 長期優良住宅
登録免許税(所有権保存登記) 0.15% 0.1%
不動産取得税 1,200万円を控除 1,300万円を控除
固定資産税 3年間 1/2 5年間 1/2

国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」より。適用期限は各制度で異なります。2026-10-25 確認。

これらの優遇と、申請費用・建築費の増加・30年分の点検費用を並べて、元が取れるかを判断します。自分の借入額で月々と総額を確かめるなら、シミュレーターを使ってください。

残価設定型ローンを使うなら、長期優良住宅は必須

ここまでのデメリットがあっても、残価設定型住宅ローンを使うなら、選ぶ余地はありません。どちらの型も、長期優良住宅であることが条件だからです。

残価設定型住宅ローンの対象の家

型 対象の家 そのほかの条件
JTI型 認定長期優良住宅の戸建て JTIが認めた事業者が建てること。長期メンテナンスプログラムの実施。市街化調整区域は対象外
国の保険(据置型) 長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンション 2026年9月30日現在、取扱金融機関はなし

JTI公式サイト・住宅金融支援機構「特定残価設定ローン保険の概要」(令和8年3月)で 2026-10-25 確認。

理由は、残価の考え方にあります。残価は「何十年後もこのくらいの価値がある」という見込みです。手入れの計画と記録がある家でないと、その見込みを立てられません。JTIの案内では、災害で住めなくなった場合や、決められた制度以外で人に貸した場合、証明書が失効するとされています。残価設定型を使うなら、点検の義務は「残価を守るための条件」でもあります。

メリットとデメリットの比較

建築中の木造住宅の骨組み

良い点

  • 住宅ローン控除の上限が最も高い(4,500万円、子育て世帯等は5,000万円)
  • 登録免許税・不動産取得税・固定資産税が軽くなる
  • 点検の記録が残り、売るときに家の状態を説明しやすい
  • 残価設定型住宅ローンを使える

注意点

  • 申請の費用がかかる
  • 着工前の申請で、工期が延びることがある
  • 仕様によって建築費が上がる
  • 30年以上、点検と記録の義務が続く
  • 手入れを怠ると認定が取り消されることがある

認定を取るとよい人・取らなくてもよい人

取るとよい人

  • 残価設定型住宅ローンを使う可能性がある人
  • 借入額が3,500万円を大きく超える人(ZEH水準との控除の差が広がる)
  • 将来、家を売るか貸す可能性があり、手入れの記録を残したい人

取らなくてもよい人

  • ZEH水準を満たす家で、借入額が3,500万円以下の人(住宅ローン控除の差がほぼない)
  • 30年間、計画どおりの点検を続ける自信がない人
  • 工期を少しでも短くしたい人

よくある質問

長期優良住宅とは何ですか?

長く良い状態で住めるように建て、手入れを続ける計画を、所管行政庁が法律に基づいて認めた家です。耐震や省エネの性能、広さ、30年以上の維持保全計画などが基準です。

点検をしないとどうなりますか?

行政に改善を求められても従わない場合は、認定が取り消されることがあります。取り消されると、税の優遇も受けられなくなります。報告の求めに応じない場合は、30万円以下の罰金の対象です。

申請は自分でするのですか?

申請するのは建てる人ですが、実際の書類はハウスメーカーや工務店がつくることがほとんどです。書類作成の費用がかかるかどうかは、契約前に確認してください。

中古で長期優良住宅を買ったら、認定は引き継げますか?

引き継ぐ手続きがあります。引き継いだあとは、点検と記録の義務も買った人が負います。所管行政庁に「地位の承継」の承認を申請し、売買契約書や登記簿の謄本などを添えます。手数料は自治体ごとに違い、群馬県は無料、東京都は2,300円、横浜市は1,700円です(2026-10-25確認)。

まとめ

長期優良住宅のデメリットは、申請の費用と時間、建築費、そして30年以上続く点検と記録の義務です。住宅ローン控除の差は、ZEH水準と比べると借入額によっては小さくなります。一方で、残価設定型住宅ローンを使うなら、認定は必須の条件です。

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